No.15 2023年4月発行
狈辞.15 4月号(2023年4月発行)
<特集>
- 「なりきり名画」で作品の世界に入ってみよう!
- わからない~!!をグラフィックで解决。
- 手助けしましょう! 本との出会い 図书馆で働く司书という専門家
- オゾンホールを克服する人类
- 小さくても大活跃!酵母の伟大なはたらき!
- ヤマミィ4コマ『花より…?』
- 着作権について动画で学ぼう!
- お闻かせください!あなたのご意见?ご感想
- YU-PRSS 広报学生スタッフ紹介
- 编集后记
「Academi-Q」タブロイド版は、山口大学総合図书馆(吉田キャンパス)、医学部図书馆(小串キャンパス)、工学部図书馆(常盤キャンパス)、医学部附属病院外来診療棟入口(小串キャンパス)で入手いただけます。
「なりきり名画」で作品の世界に入ってみよう!
この人、どうしてこんなポーズをとっているの? ここに、どうしてこんなものがあるの?
视点を変えて美术作品に触れると、意外なことに気づくかもしれません。
YU-PRSS 山口大学広报学生スタッフ OG 左海 莉子
◆これ、一体何をしているの…?
柔道着を着た人たちが、ポーズをとっています。転がっている人、それを驚いたように見ている人。あれ、紅白の旗を持った後ろの青い人 は何?……この写真、よくよく見ると、どこか見覚えがありませんか?
これは、鸟獣戯画の一部分をもとにした、「なりきり名画」です。身の回りの物を使って自分自身が名画の登场人物になりきり、写真におさまる、いわば体験型の鑑赏法です。

◆探求のスイッチ オン
元?山口大学教育学部附属山口中学校教諭の西村优子さんは、コロナ祸の自粛期间中、この「なりきり名画」を美术の课题として生徒に投げかけました。生徒たちは着作権(※1)等の知的财产権に留意した上で、古典作品等を题材に挑戦しました。
「なりきり名画」は一见简単そうに见えますが、実际にやってみるとさまざまな工夫が必要だということに気付きます。
描かれているものの色や形だけでなく、素材や質感はどうでしょうか。また、描かれているものは手元にあるものばかりで再現できる わけではありません。どんなもので代用できる かを考える必要があります。人物のポーズや視 線の向きはどうなっているでしょうか。いざ撮影してみると、なんだか違うと感じるかもしれません。どんな距離、角度で撮影すれば、実物に近づけることができるのでしょう?
◆内侧から见る絵画の世界
名画への探求は、人物に隠れて见えていない后ろの空间や、絵画として切り取られた场面の外侧にまで视点が広がっていきます。人物の视线や仕草を観察し実际に真似ることを通して、登场人物の考えや见ているものを想像した生徒もいました。なりきるために试行错误する中で、名画に隠された何重もの仕掛けに気付いていくのです。
◆「なりきり名画」の可能性
2020年の春、生徒たちはコロナ祸で登校できず、友达に会うことすら难しいという状况でした。世界的に子どもも大人も见通しのきかない不安だらけの毎日だったのです。「生徒へ见せる见本作りのために、楽しそうに『なりきり名画』に取り组む教员の様子と、生徒やその家族が共になりきることを楽しんでいる様子を见て、改めて美术による造形活动が人々に明るさやつながりをもたらすことを再认识できた」と西村さんは言います。
モノマネや自撮りのようなちょっとした遊び 感覚で取り組めるけれど、実感を伴いながら美術の奥深さを感じることができる。これが、「なりきり名画」の良いところなのです。

◆日常生活を豊かにする视点
「なりきり名画」を行うことで、自分がなりきった名画や似た絵画に今后出会ったとき、探求のスイッチが入り、その作品をより深く味わうことができるでしょう。絵画などの美术作品だけではなく、普段见かける记号や风景に対しても、美术的な视点を持って触れることで、新たな発见をする可能性があります。なりきることを通して身に付けた、色や形、物の质感などのさまざまな视点からものごとを捉えていく美术的な见方は、日常生活をより鲜やかなものにしていきます。「なりきり名画」は、そんな豊かな生活への一つのキッカケになり得るのです。
(※1)著作権については、下記URLから、山口大学国际総合科学部の学生たちが作った動画で学ぶことができます。
/weekly/20573/
※「なりきり名画」の授业については、以下の権利侵害を助长する意図のあるものではありません。
(1)着作権、(2)复製権、(3)上演権、(4)公众送信権、(5)その他知的财产権
取材協力:山口大学教育学部 中野 良寿 教授 / 元?山口大学教育学部附属山口中学校 西村 優子 教諭
「鳥獣人物戯画絵巻 甲巻」画像提供:栂尾山高山寺
わからない~!!をグラフィックで解决。
话し合いの结果や授业のノートって、文字ばかりで読み返すのが大変!
ぱっと见てわかる。新しい発想が涌いてくる。そんな方法が、実はあるんです。
YU-PRSS 山口大学広报学生スタッフ 山内 彩華

◆グラフィック+レコーディング
グラフィックレコーディングとは、グラフィック(视覚情报)とレコーディング(记録)を合わせたもので、情报をビジュアル表现としてデザインする方法のことです。略してグラレコと呼ばれます。自分の考えを文章で表现してみると思っていたよりも长文になることがありませんか?
そんなときにグラレコを使えば、自分の考えを絵や図で表すことで、相手に分かりやすく伝えることができます。また、自分の考えと向き合うこともできるようになるのです。
◆なぜグラレコが使われているの?
私たちが生活している世界は日々変化しており、多様性にあふれています。お互いの考えは、一见同じように见えても、その人の経験や知识の积み重ねによって少しずつ违っています。
そのわずかな违いを文字だけで表现することが难しいことがあるため、絵や図で表现するという方法が着目されています。それぞれが描いたグラフィックを対话のきっかけとして、お互いの考えを深めあって歩み寄ります。そうすることでさらに新しい発想が生まれてくるのです。
◆描き方のポイント
自分の考えを絵で表现するのはなんとなく难しそう…と感じる人も多いのではないでしょうか。実は、絵が苦手な人でも简単にグラレコを描けるポイントが3つあります。1つ目は、人や场所などの要素を〇、△、□の组み合わせで表现することです。例えば、〇の下に△を描き、4つの线で手足を描くことで”人”をシンプルに描くことができます。そこに表情を描き足したり、□の组み合わせでネクタイを描いたりすることで”仕事をしている人”といった特徴がわかるようになります。2つ目は、描いた絵の周りに矢印やハートマーク等を付け足し、一つひとつの要素の関係性を表现することです。”兴味がある”、”対立している”など、絵と絵の関係をシンプルに伝えることができます。厂狈厂等の絵文字をイメージすると、表现のヒントになるかもしれません。3つ目は、全体としてどうなっているかを意识しながら描くことです。伝えたいことを意识しながら全体を”大きな木”に见立てる等、何か别のものに例えることで、雰囲気を含めて全体をまとめることができます。これらのポイントを意识しながら絵や図を描いて练习をすることで、自分なりのグラレコができるようになります。

◆まちづくりの场でも活用
まちづくりの場面などでも、グラレコは活用され始めています。山口市では、まちづくりの計画を作る中で、市役所の職員と住民が地域の魅力や課題について話し合う「共につくる未来懇話会」を開催しました。役所が主催する会議というと、緊張して発言が少なくなったり、固い議論になったりしそうですが、グラレコを用いること で、対話が活性化し、参加者から様々な意見が引き出されました。また、成果が絵として形に残ることで、参加者の満足度も向上しました。さらに、後日グラレコを見た他の住民からも反響が寄せられるなど、地域づくりへの住民参加を促すきっかけとして役立っています。
◆グラレコを使ってみよう!
それでは、実际にグラレコを描いてみましょう。クラスでの话し合いの场で、自分の考えを絵に描いて、それをきっかけに话してみましょう。授业中、先生の説明からイメージしたことをノートに○、△、□で表现してみましょう。ふと思いついたアイデアを记号や絵文字で描いてみましょう。そのほかにもいろいろな活用ができそうです。グラフィックで表现しているので、后からイメージを思い出しやすいのもメリットです。
新学期になって新しいことをしてみたい、活用できるノートを作りたいと思っている人にはグラレコがおすすめです。自分が描いたグラレコが谁かの意见を引き出し、自分の考えを深めるヒントになります。记録としてとったノートが、今までになかったアイデアや新しい世界を生み出すきっかけになるかもしれませんね。

取材協力:山口大学国际総合科学部 坂口 和敏 准教授 / 国际総合科学部公認デザインサークル S!GNAL / 山口市総合政策部企画経営課
手助けしましょう! 本との出会い 図书馆で働く司书という専門家
あなた「を」必要としている、あなた「が」必要としている、そんな本がきっとある。
図书馆は本と利用者をつなぐ場です。
◆公共図书馆の中の専门家
公共図书馆は、私たちが利用できる中で最も身近な図书馆です。子どもからお年寄りまで広く人々に開かれています。その図书馆には、実は「プロフェッショナル」がいるのです。本の収集や管理、利用者へのサービスなどを担当している司书という専門職です。「書を司る」と書いて司书。何だかカッコイイ響きですね。
◆欠かせない仕事
図书馆で働く人というと、カウンターで貸出や返却の受付をしている人を想像するかもしれません。しかし、司书は新しく購入する本を選ぶための会議や子ども向けに「おはなし会」を行うなど、様々な仕事をしています。そんな中で、毎日必ず行っている仕事があります。それが排架と书架整理です。
排架は返却された本や新たに購入した本を決められた場所に並べる作業。书架整理は本が正しい場所にきちんと並んでいるかを確認する作業です。全ての本は内容などの基準に従って分類され並べられるため、背表紙に貼られたラベルを目で追って、違う場所の本が混じっていないかを確認します。また、本のサイズは様々あるので、大きさ順に並べつつ本の背を手前に合わせることでタイトルを見やすくしています。
一見簡単そう? いえいえ、そんなことはありません。図书馆には1日のうちに何百人もの人が来館し、本が貸し出され、また返却されています。扱われる本は数千冊にも及びます。その膨大な数の本の整理を、開館前や開館中、閉館後にも行います。本を運んでしゃがんだり踏み台を上ったり、肉体労働の繰り返しです。また、定期的に設けられている図書整理日には、1日じゅう本の整理を行います。まさに整理につぐ整理です。

◆司书に必要な能力っていくつある?
「桜が開花する日がどうして分かるのか知りたいのですが、このことについて書かれている本がありますか?」司书がこういった相談を利用者から受けて、探している本や情報について答えを提供する利用支援があります。レファレンスサービスといって、司书の重要な仕事のうちの一つです。「世界一分厚い本は何ですか?」「孫に浴衣を縫ってあげたいけれど縫い方が分からない」「おいしいカニの見分け方を知りたい」…これらは、実際にあったレファレンスの事例です。一風変わったものでは、利用者がビニール袋に大きさ7~8cmの白い幼虫1匹を入れて、「この幼虫なに?」と持ち込んだ事例もあるそう。知りたいことは千差万別です。
そのため司书には、利用者が探している答えにたどり着くためのキーワードを丁寧に引き出すコミュニケーション能力や、広く色々な分野についての知識が求められます。インターネット上の情報も含めて提供する場合、それが本当に信用できる情報源なのかをくわしく調べる能力も必要です。また、先ほどの书架整理を日々行うことで蔵書が把握でき、よりスムーズなレファレンスにつながります。司书に必要な能力は、実にバラエティに富んでいるのです。

◆本と人との架け桥
「どんな人にも自分のために書かれたような本が必ずある」と山口大学人文学部准教授の伊東達也さんは語ります。そんな本に出会ってもらうための手助けをすることこそが司书としての喜びであり、本と人とを結びつける図书馆の役割なのです。
次に図书馆を利用する際には、目当ての本だけでなく、図书馆そのものや図书馆で働く人に目を向けてみるのも面白いかもしれませんよ。
取材協力:山口大学人文学部 伊藤 達也 教授
イラスト:YU-PRSS 山口大学広报学生スタッフ OG 左海 莉子
オゾンホールを克服する人类
飞んでいる旅客机よりもはるかに高い上空に、オゾン层があります。これは有害な紫外线をブロックしてくれるありがたい存在です。オゾン层がなくなると陆上生物は生命の危机です。
エアコンや冷蔵库などに使われる「フロン」というガスが、オゾン层を破壊することが1974年にわかりました。そして南极上空にオゾンが极端に少ないオゾンホールが出现して、恐怖が现実となりました。
世界的にフロンを减らす努力が始まりました。それから数十年。オゾン层は徐々に回復しており、この努力を続ければ今世纪中顷には1980年代レベルに戻るとの见通しが発表されました。世界的な环境问题のひとつに、解决の光が见えてきたのです。
环境问题は、技术的な面もありますが、私たちひとりひとりの问题でもあります。また、世界中の人々との利害调整も必要です。投げ出さず、あきらめず、粘り强い取组が求められます。派手な胜利もありません。そんな困难な仕事をつづけておられる全ての方々に感谢したいと思います。

取材協力:山口大学理学部 坂口 有人 教授
小さくても大活跃!酵母の伟大なはたらき!
朝食の代表であるパンには酵母という微生物が欠かせません。
酵母がパンのおいしさにどのように関わっているのか见ていきましょう。
YU-PRSS 山口大学広报学生スタッフ 大平 美結
◆パン酵母っていったい何者?
酵母は、大きさが0.005ミリメートルという肉眼では见えない非常に小さな生き物で、土の中や植物の表面など、どこにでも存在しています。自然界にはさまざまな酵母が存在しますが、そこからパン作りに适した酵母を选んで育てたものがパン酵母です。なじみ深いのは英语名のイーストではないでしょうか。学名ではサッカロマイセスセレビシエといいます。思わず噛んでしまいそうな言いにくい名前ですね。

◆酵母は生きるために発酵をする
パンを作るとき、酵母は材料等に含まれる糖を分解して、二酸化炭素やエタノールを発生させます。これは酵母が生きるための活动ですが、この二酸化炭素が生地の中に気体の泡として闭じ込められることによりパンがふくらみ、ふわふわのパンが出来上がります。このような微生物の活动で人の役に立つものを「発酵」といいます。パンやお酒は発酵によりつくることができます。人类はこうした微生物の活动の恩恵を受けているのです。
酵母のはたらきはパンをふくらませるだけではありません。旨味や香りも生み出します。ベーキングパウダーなどのふくらし粉を使用するのではなく、ゆっくりと时间をかけて酵母の力を生かすことで、おいしいパンが出来上がるのです。生き物の活动が人类の暮らしによい影响を与えていることがわかりますね!
◆微生物だって生き物だ!
酵母がいるパンと、いないパンとを比べてみると、酵母がいるパンは大きくふっくらしていることがわかります。そして味わいも大违いです。
人类は5000年以上前から酵母を使ったパンをつくってきました。また、パンだけでなく、朝食でよく食べられる纳豆やヨーグルト、お味噌汁の味噌なども、纳豆菌や乳酸菌、麹菌といった微生物のはたらきでできています。
微生物も生き物であるため、発酵食品を作るときは保存する环境に注意しなければいけません。微生物は顕微镜などを使用しなければ见ることができない世界にいますが、长い间人类と共存してきました。皆さんも身近にいる小さな世界をイメージしてみてはいかがでしょう?

取材協力:山口大学工学部 星田 尚司 教授
ヤマミィ4コマ『花より…?』

企画:YU-PRSS 山口大学広报学生スタッフ
江藤 由喜、清水 聡乃、三澤 朱里
着作権について动画で学ぼう!
インターネットやSNSの普及により「著作権」は私たちにも身近な問題となっています。正しい知識を身近なテーマでよりわかりやすく学ぶため、山口大学国际総合科学部の学生チームが小学生向けに動画教材を制作しました。制作時のエピソードや思いとともに動画教材を掲載していますのでぜひご覧ください。
/weekly/20573/
YU-PRSS 広报学生スタッフ紹介

编集后记
ゴールデンウィークは夏のような日もあります。この调子で今年の夏も暑くなるでしょうか。
すずしい夏を「冷夏」と言います。「それは过ごしやすくてイイゾ」と思ったら大间违いです。今からちょうど30年前の1993年に记録的な冷夏がありました。フィリピンの火山が大喷火した影响が北半球の各地に现れました。日本では、日差しの弱い雨の日がつづき、気温が上がらなかったため、多くの作物が育たず、全国で深刻なコメ不足になりました。その年は海外からの输入のおかげでしのげました。私たちの社会は环境変动にとても弱いのです。
やはり夏は暑く、冬は寒い方が一番です。暑い夏になりますように。
発行人 山口大学長 谷澤 幸生 / 編集長 山口大学教授 坂口 有人
デザイン?企画 株式会社無限 / 発行 山口大学総務企画部総務課広报室
〒753-8511 山口市吉田1677-1
TEL: 083-933-5007 FAX: 083-933-5013
E-MAIL: yu-info@(アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp)
総発行部数155,000部 / 山口県内の教育委員会?学校等を通じて、児童、生徒、保護者、先生方に配布します。次回2023年7月発行予定。

