海水电解において塩素を発生しない非贵金属触媒を开発
-海水と再生可能エネルギーによって水素社会実现に贡献-
大学院创成科学研究科の中山雅晴教授、吉田真明准教授らの研究グループは、海水の電気分解において、毒性?腐食性の塩素ガスを発生せず、無害な酸素とエネルギーキャリアである水素のみを生成する触媒の開発に成功しました。
本研究成果は、2021年5月14日にアメリカ化学会誌「ACS Catalysis」にオンライン掲載されました。
概要
化石燃料の枯渇や気候変动に対する悬念から、カーボンニュートラルの実现は我が国だけでなく、世界全体にとっての喫紧の课题になっています。その键を握っているのが、エネルギーキャリアである水素の利用拡大です。水素はエネルギーとして利用する际、颁翱2を排出しない理想の燃料ですが、现在の主要技术では、水素を製造する过程で大量の化石燃料を使用しています。これに対して、水の电気分解(2贬2翱→2贬2+翱2)による水素製造は颁翱2を発生しない理想のプロセスであり、电気分解の电力源に再生可能エネルギー(太阳光、风力など)を使えば、全工程で颁翱2を排出しないだけでなく、间欠性の再生可能エネルギーを水素に変换して贮蔵することにもなります。现在、水の电気分解によって水素を製造する技术として、アルカリ水电解[1] 、固体高分子型水电解[2] がありますが、どちらも「真水」が必要なため、水电解が大规模导入された场合は、いずれ「枯渇」という问题に直面することになります。そこで、本研究グループは地球上の水の97%、すなわち、ほぼ无尽蔵に存在する海水の电気分解によって水素を製造する研究に着目しました。海水は高浓度の塩を含む「天然の电解质」であるため、アルカリ水电解のように电解质を添加する必要はありません。
しかしながら、海水を一般的な电极(白金、イリジウム酸化物など)を使って电気分解すると、阴极からは水素ガスが、阳极からは塩素ガスが発生します。塩素ガスは毒性と腐食性を有するため、特别な设备?装置が无いと取り扱えません。したがって、水素を製造する目的では、対极では塩素ではなく、无害な酸素が発生する方が好都合です。上述のとおり、塩素ガスが优先的に発生する理由は、塩化物イオンの酸化による塩素発生反応[3] が、水の酸化による酸素発生反応[4] よりも速く起こるためです。従来、海水电解によって酸素のみを発生させる方法として、(1)海水にアルカリを添加する方法、あるいは(2)触媒の上に塩化物イオンを排除する层を组み合わせる方法が提案されていました。本研究グループは、このどちらの方法にも頼らず、単一物质(触媒)の特异な反応选択性によって塩素を出さない海水电解に成功しました。?

図1.开発した触媒の构造

図2.今回開発した触媒および一般的な触媒を使って塩化ナトリウム水溶液を電気分解したときの酸素発生および塩素発生のファラデー効率.電解液 0.5 M NaCl、電解時の電流 10 mA/cm2.
用语の説明
[1] アルカリ水電解 水酸化カリウム(KOH)を水に溶かした強アルカリの液に電流を流すことにより、陰極で水素、陽極で酸素を生成する電解方式
[2] 固体高分子型水電解 固体高分子電解質膜の両面に触媒電極を塗布し、水を供給しながら両極間に電圧を印加することにより、水素と酸素を生成する電解方式
[3] 塩素発生反応 2Cl- → Cl2 + 2e-で表される反応
[4] 酸素発生反応 2H2O → O2 + 4H+ +4e-で表される反応(熱力学的には塩素発生反応よりも有利だが、4電子反応であるため、2電子反応である塩素発生反応よりも遅い)
谢辞
本研究は日本学术振兴会、科学研究费补助金基盘研究(叠)「积层二酸化マンガンの酸素欠陥操作による塩素フリー海水电解技术の开拓(20贬02844)」の助成を受けて実施しました。
论文情报
- 論文題目:Selective Catalyst for Oxygen Evolution in Neutral Brine Electrolysis: Oxygen-Deficient Manganese Oxide Film
- 著者:Hikaru Abe, Ai Murakami, Shun Tsunekawa, Takuya Okada, Toru Wakabayashi, Masaaki Yoshida, Masaharu Nakayama*
- 掲載誌:ACS Catalysis
- 顿翱滨:10.1021/补肠蝉肠补迟补濒.0肠05496
