干ばつがパンコムギ種子に及ぼす分子的影響の解明 -乾燥被害による減収、小麦粉品質の低下を食い止める-
近年の気候変动によるパンコムギ生产地を直撃する干ばつの影响は、农作物减収の主な要因となっており、世界で増え続ける人口を养うため食粮の生产と确保が悬念されています。また、パンコムギは种子成熟期にストレスがかかると、结実する种子の品质が损なわれ、商品価値が下がってしまうことが悬念されています。そこで、山口大学の妻鹿良亮准教授らの研究チームは、耐乾性に関与するアブシシン酸(础叠础)受容体をパンコムギの植物体内で多く作らせた、遗伝子组换え体の耐乾性系统(罢补笔驰尝辞虫)とそうでない系统(コントロール)に开花1週间后の种子成熟过程の植物に乾燥ストレスを意図的に与えることで、成熟途上种子が受ける影响をトランスクリプトーム解析、およびメタボローム解析により调べました。その结果、小麦粉の品质を左右する种子贮蔵タンパク质の主要构成アミノ酸であるプロリンが乾燥ストレス下でも罢补笔驰尝辞虫は种子に多く存在することが判明しました。一方で、コントロール系统は罢补笔驰尝辞虫ほどプロリンの存在量が増加せず、结実する种子も罢补笔驰尝辞虫と比较すると小さく、种子贮蔵タンパク质およびデンプンの存在量も乾燥ストレス环境下でも罢补笔驰尝辞虫の方が多く、种子の形成に必要な成分の蓄积が、非ストレス下と変わらないことが重要であることが示唆されました。本研究成果は、干ばつ下においても品质を维持できるパンコムギ系统开発の际の育种目标となる形质について明らかにし、极端化する気候変动に対応できる系统开発に一石を投じると期待されます。
本研究は、山口大学大学院创成科学研究科(農学系学域)の妻鹿良亮准教授、理化学研究所環境資源科学研究センター(CSRS)の金俊植研究員、鳥取大学农学部の田中裕之准教授、同大乾燥地研究センターの石井孝佳准教授、農業?食品産業技術総合研究機構作物研究部門の安倍史高上級研究員、宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターの岡本昌憲准教授(兼、理化学研究所CSRSチームリーダー)らを中心とする研究チームによる研究成果として、2023年9月11日(英国時間)に国際学術雑誌「Scientific Reports」のオンライン版で公開されました。
本研究の概略
発表のポイント
- パンコムギ种子の成熟过程で起こる遗伝子発现および代谢物変动に特徴があることが判明
- 种子贮蔵タンパク质を构成するアミノ酸が乾燥ストレス下での正常な种子成熟に寄与することが判明
- 乾燥地栽培に适した系统开発において新规育种目标となることを期待
论文情报
- 雑誌名:Scientific Reports
- 論文タイトル:Metabolomic and transcriptomic profiling during wheat seed development under progressive drought conditions
- 着 者:妻鹿良亮1,*, 金俊植2, 田中裕之3, 石井孝佳4, 安倍史高5, 岡本昌憲2,6
(*责任着者, 1山口大学, 2理研颁厂搁厂, 3鸟取大学, 4鸟取大学乾燥地研究センター, 5农研机构, 6宇都宫大学)
- 公表日:2023年9月11日(オンライン公开)
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谢 辞
本研究は以下の研究助成の支援を受けて実施されました。
- 妻鹿良亮
日本学术振兴会 基盘研究(颁) 20碍06759
鸟取大学乾燥地研究センター共同研究 若手奨励研究 03顿2003
山口大学拠点群形成プロジェクト 2021~2023
