No.11 2021年12月発行
狈辞.11 12月号(2021年12月発行)
<特集>
「Academi-Q」タブロイド版は、山口大学総合図书馆(吉田キャンパス)、医学部図书馆(小串キャンパス)、工学部図书馆(常盤キャンパス)、医学部附属病院外来診療棟入口(小串キャンパス)で入手いただけます。
ハッピーホースライフ! 馬に癒され 馬に学ぶ 豊かな生活
馬が活躍するのは競馬くらい? いえいえ。
癒しの効果もあるのです。ヒヒーン。
YU-PRSS 山口大学広报学生スタッフ 小原 彩乃
◆なんて素敌な生き物なのでしょう
人と马が豊かな生活をおくることを目的として、马にエサをあげたり、马をなでたり、马のお世话やふれあいを通じて心と体の両方を癒される。それが学生たちのつくったプログラム「みんなでハッピーホースライフ!」です。
「一頭一頭違う性格。すらっと伸びた美しい脚。ごはんを前にするとキラキラと輝く瞳。親しい人の足音を聞いただけで溢れ出してしまう鳴き声。賢く、優しく、力強くも美しい。馬、馬、馬。なんて素敌な生き物なのでしょう。その全てが我々を癒してくれる。馬は魅力的なのです」
このプログラムを企画した学生サークル「ホースヒーリングサークル」のみなさんは、こう语ります。みんなに马の魅力を伝えたい、そして癒されてほしい。そういった热い思いから、この企画は発案されたのです。

◆山大おもしろプロジェクト
山口大学には「おもしろプロジェクト」という企画があります。学生が、あれがやりたい、これがやりたい、といろいろな梦をカタチにするために企画を竞い合います。そのなかでも特におもしろいプロジェクトに対して、大学が最大50万円の资金をサポートしてくれる制度です。多くの学生にとって、50万円は、见たこともない大金です。そんなお金をもらって、もしも失败したらどうしようと、不安に思うかもしれません。でも、心配は无用です。失败しても良い。挑戦することが大事だ!そういうプロジェクトなのです。それがおもしろいのです。
この「みんなでハッピーホースライフ!」も、おもしろプロジェクトに选ばれました。この企画は、马のお世话をするだけではありません。马粪から作った堆肥を使って农业も楽しみます。畑では、马のごはんになるニンジンを育てており、马から得た恵を马のごはんにして还すという、马による循环型农业を実现しています。
「今のところは、马用の野菜がメインですが、ゆくゆくは人间用の野菜も一绪に収穫できるようにするのが目标」とサークルメンバーは语ります。
そして、山口大学教育学部附属特别支援学校の生徒さんや学童保育の子どもたちにも参加してもらい、马のお世话を一绪に行います。最初はみんな马の大きさにびっくりしますが、やがて马の优しさにほだされていくのです。

◆马はどこから
この企画の马たちは、最初から动物セラピーで活跃していたわけではありません。もともとは别のことをしていた马たちでした。なかには竞马を退いた竞走马もいます。
日本では一年に数千头の竞走马が年齢や病気などを理由に引退していきます。马は、25年から30年生きるといわれていますが、まだ若い3歳や4歳で引退になる马もいます。そんな引退马たちは、乗马クラブや学校の马术部などに引き取られ、第2の人生(いや马生)を歩んでいくことになります。そうした乗马クラブは、引退马に比べて圧倒的に不足しているのが现状です。

◆新たな活跃の场として
「引き取り手のない马たちの再就职先の一つとして、“ホースセラピー”という新しい选択肢をつくりたい」とホースヒーリングサークル设立者の藤原优美さんは语ります。
ホースヒーリングサークルの活动は、现在山口大学内で行われていますが、これから大学の外にもどんどん広まっていき、人と马の両方が豊かな生活を送ることができるようになると良いですね。

◆癒し効果!
马が草を食む音を山口大学公式驰辞耻罢耻产别からお楽しみください。

取材協力:山口大学ホースヒーリングサークル 藤原 優美さん、大前 愛さん、斯波 はるかさん、顧問 共同獣医学部 佐々木 直樹 教授
その行动には理由があります。なぜ勉强よりゲームをしてしまうの?
勉强しないといけないのに、ついゲームをしてしまう。おもちゃで游んだ后、片付けられない…。
思ったように行動できないと、「なんて自分は意志が弱いのだろう、やる気がないのだろう」と落ち込むことはありませんか? いえいえ、それはあなたの心や性格が原因ではありません。
そんなとき、行动分析学を活用すると、うまくいくかもしれません。
YU-PRSS 山口大学広报学生スタッフ 岩見 丞

◆行动分析学ってなんだろう?
あなたは今、この础肠补诲别尘颈-蚕を読むという行动をしていますよね。
このように私たちは日々の生活の中で、本を読む、食事をする、歯磨きをする、歩くなど、さまざまな「行动」をしています。人间や动物がなぜその行动を行うのか、原因を明らかにすることを目的としているのが行动分析学です。
行动分析学を専门とする山口大学教育学部讲师の宫木秀雄さんは、「行动分析学は、行动の原因を个人のせいにしないという特徴がある」と语ります。ダイエットを例にあげてみましょう。ダイエット中についついお菓子を食べるという行动の原因を个人の内面に求めると、「意志が弱いから」ということになります。しかし、この考え方では、図1のように行动と原因が循环しており、「なぜお菓子を食べるのですか?」→「意志が弱いから」、「なぜ意志が弱いのですか?」→「お菓子を食べてしまうから」と、ただ原因と行动を言い换えただけに过ぎません。つまり、その人の内面を指摘したところで、しょうがないことがわかります。
では、行动分析学から见た、行动の原因とは何でしょうか。手軽に食べられるお菓子が近くにある环境が问题なのかもしれません。宫木さんは行动の原因を个人のせいではなく、环境によるものであると考え、様々な研究を行っています。

◆なぜ、あんな行动をしてしまった?
行动分析学では実験から、人间や动物が行动をするときの法则(决まり)を见出しています。その一つとして、行动によって得られるメリットが「より早く?楽に?大きなもの」で、さらに「确実性が高い」行动を优先するという法则があります。
「勉强よりもゲームをしてしまう」という例で考えてみましょう。勉强のメリットの一つに、「テストで良い点数が取れる」というものがあります。このメリットを先ほどの法则から考えるとどうでしょうか?勉强はとても大変で、すぐに结果は得られません。さらに、勉强を顽张ったからといって、确実にテストで良い点を取れるとはいえませんよね。対して「ゲームをする」という行动は简単にできて、すぐに结果が出て、确実に楽しいというメリットがすぐに得られます。
このように、勉强よりもゲームを优先することは、行动分析学からすると当然のことなのです。つまり、勉强しないのは、「あなたの意志が弱いから」なんて指摘は行动分析学では的外れといえるでしょう。

◆行动をコントロールしてみよう
「行动分析学的には当然だ」なんていわれても、きちんと勉强をしなければなりません。行动分析学を応用すると、行动をコントロールすることができます。その一つに、ルールを决めて行动を支配するという方法があります。例えば、「1时间勉强をすると、1时间ゲームをしても良い」というルールです。これは勉强をするという行动をすれば「ゲームができる」という、早くて、确実なメリットが追加できます。このルールを利用すると、难しい行动もコントロールできるかもしれません。他にも、ゲームを手の届かないところに远ざけるといった环境を変えることで、「楽さ」のメリットをなくす方法も有効になるそうです。

◆日常のあの行动も行动分析学の原理が!!
みなさんはこのような経験がありませんか?自动贩売机にお金を入れて、ボタンを押したのにジュースが出てこないという场面で、思わずボタンを连打してしまった。この行动は、行动分析学では「消去バースト」という概念に当てはまります。これは行动によって得られるメリットが消えてしまうと、一时的に行动がエスカレートするといったものです。今まではボタンを押すと得られたメリットが突如消えてしまうと、ボタンを押すという行动がまさに爆発的に増加してしまうのです。
消去バーストを知っていると日常生活にも役立ちます。例えば、犬とボール游びをする际、吠えたらボールを与えないようにします。このとき、一时的に吠えることが増えても、ボールを与えない、何もしないことが大切です。そして、吠えるのをやめたらボールを与える。吠えている途中でボールを与えてしまうと、吠えればメリットがあると勘违いしてしまい、余计に吠えるようになってしまうので注意が必要です。
このように、行动分析学で见出された法则や概念はとても身近です。あなたのしているその行动、あるいはすべき行动は、行动分析学を使って冷静に考えてみるとコントロールできるかもしれませんよ。みなさんも日常生活や目标の达成に利用してみてはいかがでしょうか?

取材協力:山口大学教育学部 宮木 秀雄 講師
イラスト:YU-PRSS 山口大学広报学生スタッフ 左海 莉子
発见は偶然に 失败作からヒット诞生
有毒な塩素ガスなしに、海水から水素を得られる新技术

地球温暖化问题は、石油や石炭を燃やすときの炭酸ガスが原因と考えられています。そのため炭酸ガスを出さない新しいエネルギー源が求められています。そのひとつとして、水素があります。水素は燃える际に炭酸ガスを出しません。
この水素を得る方法として、水を分解する方法があります。地球上で最も豊富な水は海水です。しかし海水を分解すると、水素と一绪に有毒な塩素ガスが発生することが问题となっていました。
山口大学工学部教授の中山雅晴さんは、二酸化マンガンをミルフィーユのパイ生地のように重ねて金属イオンの回収などに利用する「积层二酸化マンガン薄膜」の発明者です。通常は常温で製造する积层二酸化マンガン薄膜を300度で热したところ、一部の酸素が欠损し、乱层状态になってしまいました。失败作かと思われた乱层二酸化マンガンですが、これを使って海水の电気分解をしたところ、塩素ガスがほとんど発生することなく水素を取り出せることがわかりました。
「乱层二酸化マンガンは本来の积层二酸化マンガンから酸素が欠けた、いわば“不完全”な状态です。不完全が、今回、良い仕事をしました」と中山さんは语ります。
欠点だと思えることも里侧から见ると、良い点も见えてくるということなのでしょう。

取材協力:山口大学工学部 中山 雅晴 教授
船上のメリークリスマス
巨大な国际科学プロジェクトには世界中の研究者が集まります。
さて、研究者たちは何を食べているのでしょう?

◆腹が减っては研究もできぬ
宇宙ステーション、巨大実験设备、そして南极観测など、世界には様々な科学プロジェクトがあります。そこには世界中から研究者が集まって、热い议论を繰り広げています。そしておなかも空くでしょう。
「つづきは食べてからにしよう」

世界最大の海洋调査船:ちきゅう
◆船のごはん
地球深部探査船「ちきゅう」は世界最大の海洋调査船です。出港すれば何ヶ月も陆には戻りません。寝て、起きて、研究して、食べて、议论して。ずーっと船の中です。船の生活において食事は大事な楽しみであり、そのため船のメニューは一般に豪华です。
特にクリスマスやお正月には、普段よりも一段と良いメニューが出てきます。
「うわあ、正月に乗船してて良かった!」
これならホームシックになりません。研究に専念できますね。

取材協力:山口大学理学部 坂口 有人 教授
チキンチキンごぼうとギリシャの风神
山口県で人気の给食メニュー「チキンチキンごぼう」。
山口の特产物「美东ごぼう」は、秋吉台のカルスト台地で栽培されています。
YU-PRSS 山口大学広报学生スタッフ 堀井 皇誠

カルスト台地を成す石灰岩は水に溶けやすく、所々にドリーネと呼ばれるくぼみができます。このくぼみの中で美东ごぼうは育ちます。
一般に山の土は岩盘の岩石がボロボロになって作られます。石灰岩は、水に溶けてしまうので土になりません。その代わりに、ドリーネの底には风によって运ばれてきた尘だけが厚くたまっています。风で运ばれる尘のことを地球科学では、ギリシャの风の神にちなんで「エオリアンダスト」と呼ばれます。
エオリアンダストは粘り気が强く、ゴボウの成长を邪魔します。ゴボウはこの环境に耐えようと栄养をためこむために、太くておいしいゴボウになります。
みなさんの大好きなチキンチキンごぼうは、こうした珍しい条件が重なった地で作られているのです。しっかり味を噛みしめていただききたいものですね。

写真提供:荒木 陽子

「畠」の文字の箇所がドリーネ耕作地。(山口県文书馆蔵)
取材協力:山口大学理学部 坂口 有人 教授
Academi-Q 9号で募集した「春」をテーマとした「連歌」の応募作品を紹介!
【発句】会えぬ日を重ねてめぐる年の春(五七五)、
【脇句】君想いつつ一人见る花(七七)
につながる「五七五」の句を募集しました。たくさんの応募ありがとうございました。 次の春はコロナが収束しているとよいですね。
※Academi-Q 9号はこちらから。

人文学部 尾崎 千佳先生からのコメントを紹介します。
初めてとは思えない佳句ばかりでした。
1?2は、前句の「花」、前の前の句の「めぐる年」をふまえて、コロナ前の平穏な日常を思い出しているようです。
3の「幻影」の正体はわかりませんが、平时の花见の景色が幻视されたのではないでしょうか。
4?5?6は、前句の「一人见る」に特に焦点をあてて、孤独の寂しさやつらさをうたいます。
7?8は、前の前の句の「会えぬ日を重ね」「めぐる年」を受けて、去年と今年にかけてわたしたちが味わっている时が止まったような感覚を咏んでいます。
9?10は、将来に日常回復への希望を託し、祈りをこめています。
コロナ祸を咏んだ応募句のなかにあって、11だけが花粉症を咏み、しかも「加トちゃん张りのクシャミ」という思い切った表现を用いて、强烈な异彩を放っていました。会えない人を思っていても、コロナ祸でも、人间、クシャミは出るもの。「加トちゃん张り」に「ひっきし!」とやって、孤独の感伤を吹き飞ばしているようです。
ヤマミィ4コマ『必需品』

企画:YU-PRSS 山口大学広报学生スタッフ
左海 莉子、藤井 志穂、松本 菜那
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YU-PRSS 広报学生スタッフ紹介
编集后记
冬は星がきれいですね。数多の星ひとつひとつに名前をつけていくときりがありません。特に明るい星にだけ固有名があります。例えば冬の大叁角形のシリウスやベテルギウスです。それ以外の明るめの星には、それぞれの星座の中で明るい顺番に、アルファ星、ベータ星、ガンマ星とギリシア文字で呼んでいきます。シリウスはおおいぬ座のアルファ星ですし、ベテルギウスはオリオン座のアルファ星です。
新型コロナウイルスの変异株も出现顺にギリシア文字で呼んでいます。デルタが4番目でオミクロンが15番目です。この変异株问题がどこまで続くかわかりませんが、星の数ほどは続かないだろうと愿うばかりです。
発行人 山口大学長 岡 正朗 / 編集長 山口大学教授 坂口 有人
デザイン?企画 株式会社無限 / 発行 山口大学総務企画部総務課広报室
〒753-8511 山口市吉田1677-1
TEL: 083-933-5007 FAX: 083-933-5013
E-MAIL: yu-info@(アドレス@以下→yamaguchi-u.ac.jp)
総発行部数160,000部 / 山口県内の教育委員会?学校等を通じて、児童、生徒、保護者、先生方に配布します。次回2022年4月発行予定。

