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国立大学法人 山口大学

狈辞.19?2024年7月発行


詩は「なぞなぞ」!? 奥深い詩の世界へようこそ!

短い言叶で1つの世界を作り上げている「诗」。诗を作るのは一见难しいように思えますが、実は「なぞなぞ」の要素を含んでいる侧面もあります。
复雑なようで意外とシンプル、そんな诗の奥深さに触れてみませんか?

YU-PRSS 山口大学広报学生スタッフ 別府 桜羽子

実は身近な詩 ~山口県にも有名詩人が!~

 普段、诗を読んだり、作ったりする机会はあまりないかもしれません。実は山口県は、中原中也(山口市)や金子みすゞ(长门市)といった有名诗人を辈出しています。诗には、「なぞなぞ」の要素が含まれており、意外と身近な存在といえます。
 今回は、2023年に生诞120周年を迎えた、童謡诗人?金子みすゞの诗を题材にして、诗に隠された「なぞなぞ」を探っていこうと思います。

「なぞなぞ」みたいな考え方 ~金子みすゞの詩「波」から~

『波』 金子 みすゞ

波は子供、
手つないで、笑って、
そろって来るよ。

波は消しゴム、
砂の上の文字を、
みんな消してゆくよ。

波は兵士、
冲から寄せて、一ぺんに、
どどんと鉄砲うつよ。

波は忘れんぼ、
きれいなきれいな贝がらを、
砂の上においてくよ。

「金子みすゞ 童謡全集」(JULA出版局)

 诗が「なぞなぞ」の要素を含んでいるとはどういうことなのか、金子みすゞの「波」という诗を用いて考えてみます。この诗において、波は「子供」?「消しゴム」?「兵士」?「忘れんぼ」にたとえられています。
 例えば「子供」は、打ち寄せる波のことを表しています。波が冲の方から砂浜に向かって一斉に寄せてくる様子を、子供が手をつないで一绪に歩いてくる様子と重ねているのです。また「忘れんぼ」は、打ち寄せた波に运ばれてきた贝殻が、海に戻らず、そこに留まっている様子を「波が置き忘れた」とみて、忘れっぽい人间に重ねています。
 つまりこの诗では、ひとこと「波」といえば済むものについて、そこから特定の要素を抽出し、人间との间に共通点を见出しています。このような対比は、まるで「なぞなぞ」のようです。
 例えば「暑くなると服を着て、寒くなると服を脱ぐものは何?」というなぞなぞがあります。答えは「木」です。落叶树であれば夏は叶がしげり、冬には叶を落とします。これも人间と「もの」との间に共通点を见出し、「もの」を人间としてみているということになります。
 童謡诗人であるみすゞの诗は、シンプルな言叶を用いつつ、いつもとちょっと违う见方をしていることでオリジナリティあふれるものになっています。

「诗」って奥深い!

 フランスの诗人?ヴァレリーは诗を「踊ること」にたとえました。言叶を「何かを伝えるために使う(コミュニケーション)」のではなく、「使うことそれ自体が目的となっている芸术である」と表现しました。
 诗の言叶の本质とは、周囲にあるものを普段とは违う见方で切り取ることで、新鲜な见方を提供してくれるものであるといえます。そんな诗の言叶を生み出すとき、「なぞなぞ」を用いることができるのです。

 このように「なぞなぞ」という惯れ亲しんだ言叶游びを通じて、诗を読んだり作ったりすることを楽しむことができます。皆さんも、「なぞなぞ」で想像を膨らませながら、鋭い感覚で独创的な诗を作ってみませんか?

 


取材協力:山口大学人文学部 野坂 昭雄 教授 / 参考文献:池上嘉彦『ことばの詩学』(岩波書店、1982年)

 

ミクロと宇宙をつなぐ理論を求めて ~若き研究者の道のり~

どうしてなんだろう? 子どものような好奇心を持ち続けながら、ある分野をとことん突き詰めて研究する人がいます。
今回は、目には见えない小さな粒から宇宙诞生のカギを探ろうとする女性研究者のお话です。

全てのものは素粒子からできている

 中学校で「全ての物质は『分子(ぶんし)』や『原子(げんし)』でできている」と习いますが、実は、原子や分子はもっと小さな粒からできています。身のまわりにある、铅笔も、制服も、私达の体も、アップクォーク、ダウンクォーク、电子というたった3つの「素粒子」だけで构成されています。そして现在、地球上で起きているあらゆる现象は、电磁気力、强い力、弱い力、重力の4つの力で理论的に説明できます。実は、これらの力を伝えるのも素粒子なのです。
 しかし宇宙が诞生したときの様子は、今ある理论では説明がつきません。なぜなら宇宙が诞生したとき、4つの力は同じ1つの力だったからです。そのため、多くの研究者が、宇宙の诞生まで説明できるような新たな理论を探し求めています。
 素粒子物理学を専门とする山口大学理学部の竹内万记さんもそのうちの一人です。竹内さんはフレッシュでフレンドリーな研究者です。
 「まだ见つかってはいませんが、すべての现象をまとめて説明できるシンプルなルールが存在するはず。それを解明することで、宇宙のはじまりにたどり着けるのではないかと考えています」

きっかけはドラえもんの世界

 壮大な研究に挑んでいる竹内さん。どんな子ども时代を过ごしてきたのでしょう?
 「小さい顷からドラえもんが好きでした。夏休みの自由研究でのび太が宇宙をつくるシーンにワクワクした覚えがあって。そのとき登场したのがクォークやレプトンといった素粒子。それが私と素粒子との出会いでした」
 宇宙と物理学がつながったのは大学时代。きっかけは物理の授业でした。
 「微分方程式を使って物理の公式を导き出せることを知り衝撃を受けました。それまでは物理は覚えることが多くて难しいなと感じていたのですが、公式を暗记する必要はなく、すべて导くことができるんだって。点と点が线としてつながったような不思议な感覚を覚えました。そこで初めて物理の面白さに目覚め、研究者になろうと决意しました」
 竹内さんは教育学部から理学部に転学し、大学院へ进学。研究者としての道を歩み始めました。

研究者とのやりとりは宝物集め

 竹内さんが研究で使う道具は纸とペンのみ。ときにはパソコンも使いながら计算して、理论を构筑したり、検証したりしています。研究は答えのないパズルを解き続けるようなもの。行き詰まることはないのでしょうか。
 「なぜ自然界には4つの力があるのか、なぜクォーク?レプトンには3つの世代があるのか…解明されていない不思议なナゾはまだたくさんあります。でも、答えがわからないからこそ楽しいと思えるんです。それに、私一人で行っているわけではありません。共同研究といって、他の研究者たちと议论しながら打ち立てた理论をより良くしています。私にとって研究者とのやりとりは宝物集め。多くの人の知恵を借りながら、一绪につくりあげることに大きな喜びとやりがいを感じています」

研究において大切なのは个性

 最后に、竹内さんに研究の魅力について闻いてみました。
 「ある一つのことを深掘りしていくのが研究です。その原动力は『知りたい』『なぜなんだろう?』という纯粋な好奇心です。同じものを见ていても、一人ひとりの感覚はちょっとずつ违う。その违いが研究の个性につながっていく。个性があるからこそ、自分にしかできないことがあるはずだとポジティブに捉えることができるんです。たくさんの研究者が切り拓いてきた道のりが今につながっています。私も少しでも素粒子物理学を进展させて、次の世代に知见のバトンを渡したいと思っています」

 まだ解明されていない现象は世の中にたくさんあります。みなさんの身近にある不思议が将来の学びにつながる日がくるかもしれませんね。

素粒子のイラスト「ひっぐすたん」

 


取材協力:山口大学理学部 竹内 万記 助教 / イラスト:ひっぐすたん()

 

「経済効果」ってなに? ニュースがもっと面白くなる。よく耳にする「経済効果」について調べてみた

ニュースでよく「○○の経済効果は何亿円だ」といった言叶を耳にしますが、経済効果っていったいどういう意味なのでしょうか。
山口大学経済学部の加藤真也さんにお话を伺いました。

YU-PRSS 山口大学広报学生スタッフ 江藤 由喜

経済効果とは?

 「有名音楽フェスの経済効果は30亿円以上」といった言叶を闻きます。金额から大きな规模のイベントだということは想像できますが、いったいどのようにして数値を出し、私たちにどのような影响をもたらすのでしょうか。
 経済効果について、加藤さんは、「なにかイベントを开催したとして、対象地域の公司がそのイベントによって得ることができる売上高の合计の予想である」といいます。

経済効果の求め方

 経済効果はアンケート调査などに基づいて予想されます。旅行を例として简単に考えてみます。旅行に行くと、交通费がかかります。旅行先では、宿泊や饮食、お土产の购入などにお金を支払います。このように旅行ではお金を使う场面がたくさんあります。どのくらいお金を使うのかアンケートで调査を行い、その平均金额に予想観光客数をかけ、得られた金额を基に経済効果を求めます。

身の回りの経済効果

 今年のニューヨークタイムズの「今年行くべき世界の52箇所」に山口市が选ばれました。それも3番目です。山口県にはどのくらいの経済効果が生まれるのでしょう。加藤さんとゼミ生のグループは、県内全体への経済効果は、约90亿円に上ると算出しました。ちなみに、防府市で毎年开催される防府読売マラソンの経済効果は、约1亿円だそうです。

私たちに関係あるの?

 このように経済効果が分かると、そのイベントにどれくらいの準备が必要なのかが分かります。また、イベントを行うことによるメリットを説明する际の材料になったりします。そして、関係公司の売り上げが周囲に波及していくことも重要なことです。なぜなら、いずれインフラの整备や観光施设の设置につながり、地域の活性化にもなるからです。
 一人ひとりが多くのお金を出费することで、街が润い、结果的には私たちの生活が豊かになるのです。

 


取材協力:山口大学経済学部 加藤 真也 准教授

 

山口市の史跡周防鋳銭司跡で激レア古銭を新発见!

銭货の製造にはその时代の最先端技术が集められます。古代の山口には全国唯一の常设の銭货鋳造の工业地帯がありました。まさにテクノポリス。
なぜ山口にあったのか。その谜を解き明かすべく调査を进めている中で、新たな発见がありました。

谜を解明せよ

 山口県にはかつて鋳銭司という国のお金を造る机関がありました。奈良时代には长门国(山口県西部)のうち现在の下関市にあり、平安时代には周防国(山口県东部)のうち现在の山口市に移されました。これが、山口市と山口大学が共同で调査している周防鋳銭司(すおうのじゅせんし)です。西暦825年から11世纪初め顷までは全国唯一の常设の銭货鋳造所でした。
 奈良时代から平安时代にかけて入れ替わり発行されていた国のお金である皇朝十二銭のうち、5番目の「富寿神宝(ふじゅしんぽう)」から12番目の「乾元大宝(けんげんたいほう)」まで、8种を鋳造していたとされます。
 なぜ、都のあった京都から远い山口の地でお金が造られていたのでしょうか。その谜を明らかにするため2017年から発掘调査が続けられてきました(础肠补诲别尘颈-蚕第6号〈2019年12月発行〉もご覧ください)。

谜を解く手がかり?

 2023年10月、調査に大きな進展がありました。平安時代に生産されていた「富寿神宝」の完成品が見つかったのです! 今まで他の銭種での()(そん)(せん)という失败品は见つかっていましたが、完成品が発见されたのはこれが初めてです。しかもきれいな未使用品です。
 「富寿神宝」は818年に鋳造が始まった銭货で、今回见つかったものは周防鋳銭司が开设された825年以降835年以前の间に鋳造されたお金とみられています。これまでの调査で见つかっていた中で最も古い銭货は、「承和昌宝(じょうわしょうほう)」でした。これは835年から造られていたものですから、今回の発见ではそれよりもおよそ10年さかのぼります。
 まだまだ谜多き魅惑の古代テクノポリス。これからも新しい発见があるかもしれませんね!

  • 富寿神宝:
    山口教育委员会 提供
  • 富寿神宝 X線CT:
    公益財団法人 元興寺文化財研究所 提供

 


取材協力:山口市教育委員会 / 公益財団法人元興寺文化財研究所

 

お菓子な化学実験 光る魔法のグミ

みなさんが大好きなグミ、しかも暗闇で光るグミをつくってみませんか?

YU-PRSS 山口大学広报学生スタッフ 江藤 由喜

光るグミを作ってみよう!

【用意するもの】

  • 材料:砂糖 10g、ゼラチン 5g、栄養ドリンク(ビタミンB2が入っているもの) 50ml、サラダ油 少々
  • シリコン型 ?ラップ ?ブラックライト(波長が365nmのもの)

【作り方】

  • (1)シリコン型にサラダ油を涂っておく。
  • (2)栄养ドリンクを耐热容器に入れ、电子レンジ500奥で30秒温める。
  • (3)(2)に砂糖とゼラチンを入れてよく混ぜる。
  • (4)(1)に(3)を9分目まで注ぐ。粗热が取れたらラップをかけて、冷蔵库で1时间以上冷やす。
  • (5)かたまったら冷蔵库から取り出し、型から外して完成。

ブラックライトにあてればあら不思议、グミが光ります。
宝石の形にしたり、おばけの形にしたり、あれこれ楽しんでみてくださいね。

【注意】

  • ブラックライトを直接のぞき込んだり、肌に长时间あてたりしないようにしましょう。
  • 小学生など低学年のお子さんが使用する场合は、保护者の指导のもとで実施してください。

 

どうして光るの?

 栄养ドリンクの中に含まれている蛍光物质の一种である「ビタミン叠2」が関係しています。蛍光物质の中には、私たちが普段目にしている光である「可视光」にはあまり反応しないものがあります。その一方で目には见えない「紫外线」を出すブラックライトで照らすと强く蛍光を発するものがあります。蛍光物质が光のエネルギーを吸収すると、一时的に不安定で高いエネルギー状态になり、それがもとの状态に戻るときに蛍光を発します。これが私たちの目に映るのです。
 ブラックライトの紫外线で光るのはビタミン叠2だけではありません。私たちの身のまわりにはブラックライトで蛍光を発するものはたくさんあります。蛍光の色が违うものもあるので、ぜひ探してみてください。

 


取材協力:山口大学工学部 鬼村 謙二郎 教授

 

ヤマミィ4コマ『わんこそうめん』

 

お闻かせください!あなたのご意见?ご感想

ご意见?ご感想はこちらの 宛にお寄せください。
※皆さまからお寄せいただいたご意見等は、誌面で紹介させていただく場合があります。 あらかじめご了承ください。

 

YU-PRSS 広报学生スタッフ紹介

 

编集后记

 少し前に横浜に住んでいました。夏休み前になると、子どもが田舎留学のチラシを学校からもらってきます。これは子どもだけのツアーです。信州、東北、北海道などに泊まりがけで行くのです。ツアーに参加すれば、バッタが取れます、川で泳げます、天の川が見えます、花火ができます、バーベキューができます、キャンプできます。 「えーっ、そんな事ができるの。すごい」
 たくさんあるツアーはあっという间に満席になります。旅费を含めると、それなりの値段がしますが、それよりも魅力がはるかに上回るのです。まさにプレミアムな体験なのです。
 山口に住んでいる皆さんにとって、このツアーの内容はどうでしょう。いつもの日常のままで、とてもプレミアムな体験には思えないかもしれません。
 いえいえ、都会から见ればすばらしい体験なのです。今年も特别でプレミアムな夏休みを过ごしてください。


発行人 山口大学長 谷澤 幸生 / 編集長 山口大学教授 坂口 有人
デザイン?企画 株式会社無限 / 発行 山口大学総務企画部総務課広报室
〒753-8511 山口市吉田1677-1
TEL: 083-933-5007 FAX: 083-933-5013

総発行部数155,000部 / 山口県内の教育委員会?学校等を通じて、児童、生徒、保護者、先生方に配布します。次回2024年12月発行予定。

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